鉱物学的なアスベスト

鉱物学的なアスベスト

2017/4/27

鉱物学的なアスベスト

ここでいう「アスベスト」とは、現在の我が国でもそのまま従来からの読み方の通り、『石綿(いしわた)』の事を指すのが一般的です。
ところが実際には定義自体があいまいな点もあり、鉱物学的な観点から言うと、蛇紋石あるいは角閃石などが繊維状に変形をしたりした、天然の鉱石の類そのものを指すようです。
つまり、無繊維状鉱物類全般の事を呼ぶ意味になります。そのうえで、大別して蛇紋石系の『クリソタイル』と角閃石系の『クロシドライト』及び『アモサイト』のそれぞれに分けられます。
簡潔にいうならば、いわゆる石綿の類全般の事になりますが、実はその繊維の大きさが大変微小な点で、世の中から注目をされている鉱物類でもあります。

石綿繊維の1本あたりの直系は0.02から0.35μmであり、人間の髪の毛?本文の5千分の1という小ささがあり、それでいて、耐久性や耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性などの面でとても優秀であり、そのうえ安価という加工面でのコストの低さなどもあり、多くの産業界での製造の場において使用をされてきた歴史があります。
このため「奇跡の鉱物」などと呼ばれながら重宝をされたりしながら、家庭用品・自動車・電気製品・建設資材その他、本当に多くの様々なものに使用をされてきたという経緯があります。

しかしながら、それらの中でも、建物用の建築資材としての利用などにおいては、その繊維の細やかさゆえに、空中を飛散している石綿の遷移を、ある一定期間多く吸入したりすると、中皮腫や肺がん、気管支炎その他の何らかの呼吸器系等においての疾病の誘因となる事が問題になり、今度は『静かなる時限爆弾』などという名称で呼ばれたりして、人々から恐れられるようになりました。
潜伏期間として10年から50年程度と、非常に長期に渡りその発症に関しての実態を掴みにくいなどといったような事情があり、この点で我が国においても、深刻化した1970年代の38年後にあたる2008年の4月にようやく、厚生労働省が2011年度を目途にして全ての産業界からの全廃をする事を決めて、どの年以降は日本国内での製造や生産とかはなされてはいないようです。
また、翌年の2012年の3月には、石綿自体の大体技術の開発が完了して確立をする事になります。

このため、現在の2017年2月までに至り、我が国内においては全面的に、アスベストそのものの生産・製造などは禁止になっています。
その代わり、現在地方のまだアスベスト使用の疑いがあるビルや建物、家屋などにおいては、わずかではありますが、その除去作業などに取り掛かっている自治体の場所などもあるような感じです。

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