解体工事の施工前にするべき事

解体工事の施工前にするべき事

2017/5/1

解体工事の施工前にするべき事



■はじめに

この記事では、解体工事の施工前にするべき事について説明致します。
実際の解体工事に移る前に、解体工事の依頼者(発注者もしくは施主と呼ばれます)としてやらなければいけない事があります。それを順に見ていきましょう。

■工事業者を選ぶ

当然ながら、まずは工事業者を選ばなければ解体工事はできません。自主施工者(自分が所有する建物を自身で解体してしまう人)であれば自社を工事業者にしてしまえば良いのですが、どのような工事業者を選べば安心なのでしょうか。
工事業者を選ぶ際には、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 解体工事を認可されているかどうか
  • 確かな実績があるかどうか
  • 過去に問題を起こしていないかどうか

順に見ていきます。

・解体工事を認可されているかどうか

まず、解体工事を認可されている業者を必ず選びましょう。解体工事の認可には2種類あり、工事額が500万円以上かどうかで認可の種類が変わります。
工事額が500万円未満の場合、解体工事業者はその業者が所属する都道府県の知事から「解体工事業者」の登録を受ける必要があります。この登録を証明できない業者は「無認可」なので注意してください。無認可の業者を選ぶとトラブルの原因になりがちです。
工事額が500万円以上の場合は、都道府県知事から「建築工事業」、「大工工事業」、「とび・土工工事業」のいずれかの許可を受けている工事業者のみが解体工事を実施する事ができます。それらの許可のどれも証明できない業者は「無認可」です。

・確かな実績があるかどうか

ある工事業者について解体工事の認可が確認できたら、次に実績を確認しましょう。その際、実績は「解体工事ならおまかせ下さい!」といった宣伝文句ではなく、「実際の解体工事事例」や「第三者からの好評価」などで確認するようにしましょう。業者のホームページに事例や評価があると助かりますね。

・過去に問題を起こしていないかどうか

そして、その業者が過去に問題を起こしていないかどうかも併せてチェックしましょう。
インターネットでの検索や近所での評判で「許容できない」悪評が見つかった場合には、その工事業者にお願いするのはやめましょう。

■現地及び近隣の調査

解体工事を依頼する業者が決まったら、本格的に解体工事の準備に移ります。
まず工事業者は、現地や近隣の調査を行います。事前に土地や建物の情報を依頼者が伝えている場合でも、業者は必ず調査します。もし業者が現場調査をせずに想定外の工事が発生した場合、依頼者としても工期遅延・追加料金発生などの不具合が生じます。きちんと事前調査を行ってくれる業者を選びましょう(確かな実績があれば大丈夫です)。
また調査では現地の建物の状態だけでなく、近隣の状況も調べます。解体工事は「ものを壊す」工事ですから、周囲にも細心の注意を払う必要があるのです。

■発注者としての義務を果たす

事前調査までが終わったら、ここからは発注者としての義務を果たしていきましょう。発注者の義務は、以下のように3種類あります。

  • 法律で定められた義務
  • 条例で定められた義務
  • 近隣の住民への配慮

順に見ていきましょう。

・法律で定められた義務

まず、法律で定められた発注者の義務が、「1つだけ」存在します。
それは建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建設リサイクル法)に定められており、発注者は「解体工事を行う7日前までに工事計画書を都道府県に提出する」義務を負っています。
工事計画書の書式は決まっているので提出は容易ですが、どうしても困るようであれば解体工事を依頼した工事業者に相談しましょう。発注者が委任状を渡す事で、業者が工事計画書提出を代行する事が可能です。

・条例で定められた義務

次に、「条例で定められた義務」についても調べましょう。
建物が所属する地方自治体によっては、その自治体独自に解体工事に関する条例を定めている可能性があります。もし条例が存在すればそこに発注者に対する義務が定められていますから、必ず建物がある場所の条例を調べるようにしましょう。

・近隣の住民への配慮

そして、発注者として「近隣の住民への配慮」も必要です。発注者は解体工事の施工前に、工事業者とともに挨拶にまわる事が多いのです(義務というよりは、マナーの問題ですね)。
条例によっては、近隣住民への説明会開催を発注者に義務付けている場合もあります。その際にはまずは「挨拶」、次に「説明会」という流れをとり、近隣住民に配慮しておきたいですね。ちなみに礼儀正しい工事業者であれば、向こうから挨拶まわりの相談が依頼者にあるはずです。

■残留物の撤去およびライフラインの停止

工事業者によっては、解体工事前の残留物の撤去も作業として実施してくれる事があります。しかし経費削減のためにも、建物内の残留物撤去は依頼者自身で済ませてしまいましょう。
不要な残留物の撤去が済んだら、ガス・電気・電話といったライフラインの停止を各契約会社に連絡します。この時、水道だけは止めないようにしましょう。
解体工事の際に砂ぼこりを抑える必要があるため、散水のために水道が必要になります。

■まとめ

以上、解体工事の施工前にするべき事について説明致しました。
自分が所有する建物の解体工事を経験した事が無い方にとって、解体工事は未知の工事です。そんな方の不安をこの記事を通して少しでも取り除けたら幸いです。

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