解体工事は正に「地均し儀式」である

解体工事は正に「地均し儀式」である

2017/5/2

解体工事は正に「地均し儀式」である

■みすごせない解体工事

「解体工事」って漠然としていませんか?家を建て替えるのだなぁ。その為に、古い家屋を取り壊し整地する。ついつい「どんな家が建つのだろう」と言う事に目が行きがちですし、そうした新築家屋の費用ばかりが気になって仕舞います。でも着目しなければならないのは、一見スルーされがちな「解体工事」であります。「工事」ですから、列記とした作業であるし人の手が沢山入るのです。つまり事によっては膨大な費用が掛かる場合も有るのです。そして、昨今問題になっている「空家」問題と少子高齢化は切っても切れない関係であるし、マイナス金利政策による貸出金利の低空飛行が、新築・改築、住宅購入を促している。それに伴った解体工事も激増している。その流れの中で看過できないのが実は「解体工事」なのです。

■どれ位かかるのか 

では、解体工事とは一体どれ位の金額がかかるのだろうか。平均してどれ位の日数が掛かるのだろうか。ざっくり解説してみたい。
「解体」ですから、ただ壊すだけ。そんな風に考えがちですが、住宅を作るのと同じだけの準備が要りますし、作業工程もありますから、近隣への配慮や業者さんへの対応も必要になります。ここでは地域的な費用の平均額を、木造二階建ての家屋解体工事でご紹介します。

①足場・養生¥105000円
②建物解体¥950000円
③解体重機回送費¥30000円
④諸々の雑費¥50000円。

概算合計¥110~120万円弱がかかります。因みに、樹木などの「オプション」を追加する場合は、別途費用が掛かります。一例としては、庭木の処分が¥50000円程、井戸の処理¥30000円程となっており、全くの更地にする場合はそうした建物や庭にある構造物や樹木の撤去、更地にする整地費用も掛かります。
業者さんによっては、諸々込みで「坪単価~円」として見積を提示してくれる場合があります。しかし、上記にもある通りオプショナルで費用が掛かる物もありますので、きっちり細目の見積を取り工事に着工したいものです。
また、工事ですから見積と工事着工日、工事期間、支払い方法はきっちり決めておく事が望ましいです。新築工事と一括になっている場合は、住宅ローン等に支払いが集約されますが、単に廃屋を解体したい、更地にしたい等の場合は業者さんによって支払いの方法が異なってくるので注意が必要です。
上記の家屋の場合、①~④までの工事で平均1週間程度の日数を要します。

■一連の流れ 

さて、概算が分かったところで、では、実際「解体工事」をお願いしようとなった時にどうすれば良いのでしょうか。一連の流れを追ってみます。
①現場検証…解体工事に関わる業者さん達もHPを持っている場合が多いと思いますので、まずは、問い合わせで詳細を聞いてみるのがお薦めです。概算だけなら電話相談も手段ですが、依頼側でも気づかなかった撤去費用や構造物もあるかも知れません。予備知識として、こういう物にも費用が掛かるのだなと頭に入れておくのも手段ですが、専門業者からの目線はやはり違うものです。やはりそこは現地調査をしてもらい、正確な費用見積を出してもらうのが賢明です。その際に、複数の業者に見積してもらい比較した上で支払い方法や作業の段取りを確認する事をお勧めします。あくまでその前振りをこなして、工事契約をしましょう。

工事前段階として、家屋新築に伴う解体工事の場合も含め、近隣の住民に対して一言「工事にかかります」と伝えるのが良いでしょう。解体工事に際し、重機や運搬トラック等の出入りで迷惑をかける可能性が有るからです。また、仮住まいを用意して、一旦引っ越し、解体工事を行う際には、地域との連絡事や郵便届け先の変更も必要になるでしょう。ガス・電気配線・水道の移設やメーターの停止や一時撤去もしなければなりません。もう少し言うとケーブルテレビやネット関係の「引っ越し」もしておかなければなりませんので、事前準備も入念にしなければなりません。

解体工事それ自体は、業者さんに任せておけば良いですが、労をねぎらう事はお忘れない様にしたいものです。お茶などの差し入れをすると快く作業を進めてくれます。一寸した気配りはしたいものです。全てお任せと言うのではなく、時折顔を出して現場を確認する事も重要な事だと思います。

少し、解体工事そのものから離れてしまうかも知れませんが、解体工事をしていて、新築物件に利用できるものが見つかるかも知れませんし、ついでにお願いする出来事もあるかも知れません。一時的な引っ越しで出た廃物の処理(不用品の引取りなど)も場合によっては可能かも知れません。言うだけ言ってみるのもありです。

■まとめ

近年、空家問題と過疎化・少子高齢化、そして地方分権と移住促進の流れが強まっています。老朽化した空家が、廃屋となり、例えば放火などの被害に遭う。そして、その責任や周辺への賠償に発展する。そんなケースも少なくないでしょう。また、固定資産税の関係で家屋を撤去して更地にしない方が、税制上メリットがある(資産価値が上がってしまう事で固定資産税が増額される)とする考え方も有り、新築の場合は別にしても、取壊さず残しておいた方が良い場合も施主によっては起こり得るのです。
「綺麗にしておきたい」と言うのは、ある種、日本人の美徳的な感情だろうと思います。解体工事にも、そうした作法に似た部分が当てはまるのかとも思います。儀式の一つなのでしょう。
新築・整地の前の解体工事。慎重に業者を選んでしっかりと向き合いたいものです。

お怪我をなさいませぬよう、ご注意、お願い申し上げます。

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