船の解体工事
船を保有するというのは何かとお金がかかります。マリーナの係船料、燃料代、保険料、整備・点検など、高額な維持費が必要なことから、船を手放して解体したい人が増えています。
船の解体には特殊な技術と経験が必要で、どんな解体業者でも引き受けてくれるわけではありません。そのため廃船処理業者の言い値がまかり通る世界で、適正価格で請け負ってくれる業者を探すのは難しい状況です。
しかし、船舶を海や海岸に放置すると、不法投棄で1000万円以下の罰金が科せられることもあるので注意が必要です。
また、平成17年11月に「FRP船リサイクルシステム」がスタートして、不要になった船の処理方法や資源化に関する決まりができました。繊維強化プラスチックとも呼ばれるFRP(Fiber Reinforced Plastic)は繊維強化プラスチックとも呼ばれる材質で、強くて軽い上に腐らないのが特徴です。強度や耐久性から船舶の材料として普及していて、小型船体では構造材料にFRPが使われることが多いです。
処分にあたっては再資源化や再利用するよう勧められているのですが、高い処理能力を必要とするため解体費用が高額になり、不正に焼却されたり、埋め立て処分されるなど、不法投棄されることも多いのが現状です。
船の廃棄費用が安くなるポイントは3つあります。
1つ目は「船が走行できるかどうか」です。走行できる状態の船は、沈んだ船より費用は安く済みます。自走できる船であれば、さらに良いです。
2つ目は「廃船作業する場所まで先に移動できるかどうか」です。廃船作業をするためには場所が必要となります。廃船作業を行う場所まで船を事前に移動させられれば、移動のための費用を安くできます。
3つ目は「船内の残留物を片付ける」ことです。船内に重油等の動力燃料や、発火や爆発の恐れが有る調理用ボンベやバッテリーが残っていると危険。残留物の処分は、追加料金が加算されてしまいます。自分で抜き取り、取り外しをしておきましょう。
船を手放す機会というのは一般の方にはなかなか無いかもしれませんが、御家族が趣味で船を所有されていて処分する事になった場合など、色々と手続きが必要になるかもしれません。まずはしっかりと予備知識を深めて、専門の業者に対して相見積もりを取得するなどしてみましょう。