新築工事で解体

新築工事で解体

2017/4/27

新築工事で解体

タイトルを見て「新築工事で解体?」と思われた方もいるでしょう。
新築なのに解体と言うと矛盾している様に見えますが、実は新築工事に解体は必要不可欠です。
現在の建物には必ずと言って良いほど何処かしらで“鉄筋コンクリート”が使われていると思います。
誰しもが何処かで見た事があると思いますがコンクリートというものは固まるまではどろどろした姿をしており、そのまま放置して固めても変てこな型をしたコンクリートの塊になるというのは想像に容易いと思います。

子供の頃の砂遊びで砂を綺麗な直方体に固めるのは手では不可能でしたよね?
プリンやゼリーなどをイメージしていただくとわかりやすくなりますが、どろどろした物を固める為に型を使いますよね?
それと同じく、コンクリートも最初はコンパネと呼ばれる木の板で型を作りその中に鉄筋が通っています。
そしてそれは鉄パイプ等で出来た支保工によって補強され、型枠の中にコンクリートが流し込まれて鉄筋コンクリートが形成されます。

では建物を作る際に使われていた型枠はそのまま残されるでしょうか?
いいえ、全て撤去されます。
もしも型枠がそのまま残されていたらどうなると思いますか?
基礎部分なら長期間野ざらしになった支保工が雨風で錆びていき、型枠のコンパネは腐ってボロボロになり、その場所から腐食が始まるし、それが部屋ならば空間が狭くなるのは想像に容易いと思います。
その工事を解体工事と言い職人さん達が人力で行います。
何故人力か疑問に思われた方もいるでしょう。
やろうと思えば重機で出来ない事もありません。
しかし、重機でやってしまうとせっかく固まったコンクリートもろとも壊してしまいます。
もしもコンクリートに大きい傷を付けたら左官工の仕事がそれだけ多くなりますし、下手にやれば文字通りの解体にしかなりません。
さらに言えば重機が入れない場所の方が圧倒的に多いでしょう。
そういう事情から型枠は職人さん達がバールを使って解体して行くのです。
型枠の解体工事は通常の解体工事と共通する所もありますが、一番の違いは解体だからといっても壊して良いのは型枠だけであると言う点です。

一般的な作業の流れを説明すると、前述した通り型枠は鉄パイプ等で作られた支保工が取り付けられているので、それを外す所から作業が始まります。
鉄筋コンクリートの複数階建ての建物の場合は先ず、上の階の床にあたる部分にある床を形造る為の小さな枠に巻かれている番線や木枠の撤去から始めます。
支保工の解体は特に危険が伴う作業で専門資格を持った人が必ず監督します。
まずは外部に取り付けられている鉄パイプ等を外し、一ヶ所に集めます。
そして鉄パイプ等を外したら次はいよいよ外部型枠の解体作業になりバールを差し込んで1枚1枚剥がしていき剥がしたコンパネはサイズ毎に集積します。
外部が終わると次は内部の解体となり同じ様に支保工を外してからコンパネを人力で剥がします。
職人さんが剥がしたコンパネや角材には釘が刺さったままなので、見習いが釘抜き付きハンマーで一本一本釘を抜く作業を行い、型枠を作る大工さんにリレーします。
そして、大工さんはその資材を再加工して新たな型枠を組み立てます。
この仕事は夏場は炎天下での作業や冬場に風に晒され体力を奪われる他、熱せられた鉄パイプを人力で運んだり、何メートルもある角材を持ち上げるなどかなりの重労働と言えるでしょう。
しかし、他の業種と違い建設開始から完成直前まで一つの建物の建設に携われるので他の業種よりも建物に対しての責任感や出来ていく過程を間近で見れる事はとても魅力的だと思います。
他業種、例えば足場鳶は足場を組み立てると足場の解体までその現場にはほとんど出入りする事は無いですし、内装工は建物が粗方仕上がるまで現場に入りません。
だからこそ間近で建物が出来ていく様を見られるのはとても感動的ではないでしょうか?

少なくとも筆者は実際に建築作業員の経験をした中で一番キツイけど、一番やりがいがあって一番感動的だったと感じました。
建築作業員と言えば足場鳶か鉄骨鳶はテレビドラマやコマーシャルで馴染みが深く、建築作業員と言えば鳶職にばかりスポットライトが行きがちで型枠解体と言っても馴染みがありませんが、日本一建物に携わる職人の一つではないかと筆者は考えます。
特に昨今はコンクリートの打ちっぱなしのデザイナーズマンションに人気がある中では特に型枠解体職人という業種が注目されても良いのではないか?
そのような事も筆者は考えています。

もっとも、今回の記事は過去に筆者が建築作業員の経験をしており、鳶職や土工、内装工に型枠解体、建物解体と様々な現場で実際に経験してきた内容からのものであり、体力勝負で肉体的にキツイ事も多々あれど、それでもやれたのは一番間近で建物が出来ていく過程を見てそれが感動的だったと言う体験から今回の記事の執筆に当たったのも何かの縁だと思っています。

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